1999
この集合住宅は大阪市の南部に位置し、警察、小学校、老人センターなどの公共施設が建ち並ぶ北/東側道路に面した角地にある。計画する上で、法的規制や経済効率により形態/ボリュームが決定されるなか、いかにして従来の画一的な集合住宅から差別化された魅力的で快適な空間を提供できるかということを考えた。
住戸は中庭を中心として東、南、北面にコの字型に配置して、採光、通風を確保した。中庭には竹や笹、ツタを植え、屋外階段で上階との空間のつながりを持たせている。入居者は前面道路から奥まったエントランスをぬけると、光井戸となった中庭に意外性とやすらぎを感じるだろう。住戸は全27戸だが、18タイプの住戸があり変化に富んだ豊かな内部空間となっている。
外部空間についても植栽や照明により、道ゆく人達の心がなごむことと、入居者を優しく迎え入れるということを考えた。この建物が建つことで、少しでも住環境が良くなればと願っている。
所在地:大阪府大阪市
構造:RC造5階建
用途地域:第二種中高層住宅専用地域
敷地面積:536.21m²
建築面積:372.62m²
延床面積:1164.15m²
写真:福澤昭嘉
PIECES
大西憲司設計工房のこれまでの作品やプロフィールなどをご紹介しています。
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