Hikarai
2009
敷地は幹線道路から道を曲がり、15年程前に宅地開発された雛壇状の住宅街の一画にある。周囲の家はそれぞれが思い思いの植栽で溢れ、落ち着いた静かな雰囲気か形成されていた。
建主の要望は、限られた予算ではあるが、夫婦と子供の3人家族にとって、自然や風景を感じることの出来る開放感と、外部からの視線か気にならず、プライバシーの保たれた箱のような家が欲しいというものだった。
基本設計当初より、ローコストを意識し、敷地形状である法面をなるべく残すこと、構造は木造、かたちは箱型、単一素材(外部仕上げ:ガルバリウム鋼板、内部仕上げ:ラワン合板)とすることに決め、気持ちの良いミニマルな空間となるように計画した。
1階はアプローチからの続きで廊下を墨モルタル仕上げの土間空間とし、光庭を中心に個室、サニタリースペースを配置。土間と部屋とを段差により切り替えている。
2階は、北側に外部からの視線を遮るよう外壁を設けたルーフテラス、南側には隣地いっぱいまで跳ね出したデッキテラスがあり、そこから隣家の南庭の植栽、裏山の雑木林を借景として取り込んでいる。それら南北の外部空間にはさまれたワンルームのLDKは天井高が最大3,350mmあり、伸びやかで解放的な空間となっている。
ミニマルな空間ながらも、幼い子供が自然の変化を感じなからのびのびと成長し、また家族が気持ち良く暮らせる住まいになることを願う。
所在地:京都府相楽郡
構造:木造2階建
用途地域:第一種低層住居専用地域
敷地面積:221.00m²
建築面積:81.63m²
延床面積:109.49m²
写真:福澤昭嘉
PIECES
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