大西憲司設計工房[大阪/設計事務所]Kenji Ohnishi archtect

赤穗の家

Akoh
2013

この住まいは、兵庫県の南西部、赤穂義士で有名な兵庫県赤穂市にある。

毎年12月には赤穂義士祭が開催されたり、古くから塩田が栄える歴史と伝統のあるこの地域で計画した、築200年以上経つお寺の庫裏のリノベーションである。

瀬戸内海の沿岸に位置する地域の為、一年間を通して晴天の日が多く冬場の平均気温も5℃程度だが、築200年ということもあって、底冷えがしたり、壁や建具が多く、玄関から奥へと進むにつれて、十分な採光が確保できていない閉鎖的な間取りであった。

建主からの要望は、赤穂の町並みや創建当時からある石庭を借景にしたり、裏山の緑を活かして、これからの夫婦が終の住処として、気持ち良く楽しく暮らしていける住まいをつくること、耐震改修をしたいなどであった。

まず、既存の状態で有効な利用がなされていなかった玄関部分の天井をはずして梁を現し土間空間とすることで玄関から裏山までのつながりを意識したおおらかな空間を計画した。

上部へとひろがる土間空間とは対照的に、 パ ブリックなスペースは、耐震補強をしながら既存の建具や壁を減らして、 一 室空間として計画した。石庭や裏山の緑と連続する一 室空間とすることで、元は暗い場所であった建物奥のスペースにも、北側のほのかな光や南側の明るい光が拡散されながら届き、気持ちの良い空間となっている。

耐震についても、構造設計家との綿密な打ち合わせのもと、建物の良さを損なわないように配慮しながら、しつかりとした耐震補強を行った。また、寒さへの対応として、壁や床への断熱材や木製建具やペアガラスなどを施工している。

代々受け継がれてきたこの建物と周辺環境の、歴史を継承しながら、これから先もよりよく住み継いでいけることを意識して計画した住まいである。

所在地:兵庫県赤穗市

構造:RC+木造2階建

建築面積:130.28m²

延床面積:130.28m²

写真:富田英次

作 品

PIECES

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