Catena House
2004
敷地は、豊中市緑地公園近くの静かな住宅地の一角に位置している。クライアントは地方大学の教授で、定年後のくらしを踏まえた、古い住宅の建て替えを考えていた。要望としては、もう広い庭はいらないので自宅に加えて5-6戸の賃貸住宅をつくる、都会の中に住んでいても憩いと安らぎ得られるように、そして四季を感じられる空間は絶対必要とのことであった。そこで、建築基準法等の問題をクリアし、営利を至上目的とした考えではなく健全な収支計画を立てた上で、周辺の環境に配慮しながら建主や住人達が憩いと安らぎを感じることができる空間を目指した。
計画では長方形の敷地の真中を縦軸の路地が貫き、その左右に3戸ずつ、6戸の住宅を配置することとなった。中心にはやまぼうしが植えられた広場があり、住人同士のコミュニケーションの場となる。
建物は「絆、連結」という意味をもつ「カテナ」と名付けられた、木造の戸建ての集合住宅である。従来の長屋形式や集合住宅のように界壁で隣居と接するのではなく、建物が独立しているので、プライバシーや音の問題が解決でき、居住性をより高めている。
駐車場の屋上緑化や、共用スペースに植えられた草木が四季折々の花を咲かせ、光や季節の移ろいを感じながら楽しく生活できる「日本で一番小さな村」が誕生した。
所在地:大阪府豊中市
構造:木造2階建
用途地域:第二種中高層住宅専用地域
敷地面積:612.36m²
建築面積:338.35m²
延床面積:511.72m²
写真:絹巻豊
PIECES
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