敷地は箕面市桜にあり、地名の通り、桜並木の美しい古い集落の一角に位置する。家族は60代の両親と、30代の夫婦、5才の子供1人の5人家族。親夫婦が住む築80年の住宅を、近くに住んでいた長男夫婦と気兼ねなく暮らせるよう、完全分型の2世帯3世代の住まいとして建て替える計画である。

建物は集落の町並みに配慮して旧来のものにならい、屋根を瓦屋根の平入りとし、アプローチや建物の配置もほぼ既存のかたちを継承した。1階はRC造でコンクリート杉板型枠打放し、2階を木構造の焼杉板張の混構造となっている。1階は親世帯、2階は子世帯と分かれてはいるが、上下は中階段でつながり、世帯間の気配を感じられるようにしている。

1階は、リビング、ダイニング、キッチンを1ルームにし、南・西庭に向かって開き、庭の緑や花をどの部屋からも、楽しめるように配置した。2階も同様にダイニング、キッチンを1ルームとし、切妻の垂木天井の大らかな空間に包まれ、窓から見える風景や自然と共に、家族が気持ちよく暮らせるよう考えた。

所在地：大阪府箕面市

構造：RC+木造2階建

用途地域：第一種中高層住居専用地域

敷地面積：391.30m²

建築面積：162.49m²

延床面積：250.00m²

写真：福澤昭嘉