大西憲司設計工房[大阪/設計事務所]Kenji Ohnishi archtect

門戸厄神の家

Mondoyakujin
2008

敷地は西宮市でミニ開発された住宅密集地に位置する。北側4m、西側4m道路に面する角地で、間口は7.5m、奥行8.5mのほぼ正方形に近い17坪の狭小地である。建主は母親と成人の子供1人、ネコ1匹の家族で、要望はお互いの気配がどこにいても感じられるように、自転車、単車の置き場所を内部に欲しい、建物の外観が倉庫みたいなシンプルな箱が良いなどであった。典型的な日本の住宅風景の中にある場所性の希薄な環境の中で、近隣と良好な関係を築きながら、家族が気持ち良く暮らすにはどのようにすればよいかが計画の出発点となった。

敷地の東・南面は隣家が迫っており、採光や通風の確保が困難なので、プライバシーを考え、窓の無い閉鎖された壁とし、街並みに対しては、閉鎖性を避ける為に、北、西側道路面に開口部を設け、ヤマボウシを植えた。平面と外観は、建蔽率、道路斜線などの法的規制を逆手に取り、6.3×6.3×6.3のプライマリーなキューブとした。家の中心に中庭を設け、上下階をつなげ、視線、採光、通風を確保した。周辺の環境を考え、1階は中庭に面して個室を配置し、2階にリビング、ダイニング、キッチンをワンルームにして、中庭と一体となる広がりのある空間とした。

プライバシーの守られた中庭や、2階の浴室に面して設けたバスコートから光や風や空を感じられる小さいながらもダイナミックな空間で、家族が気持ちよく、暮らせる住まいを考えた。

所在地:兵庫県西宮市

構造:木造2階建

用途地域:第二種中高層住居専用地域

敷地面積:59.13m²

建築面積:37.35m²

延床面積:70.15m²

写真:福澤昭嘉

作 品

PIECES

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