大西憲司設計工房[大阪/設計事務所]Kenji Ohnishi archtect

K邸

K House
2008

敷地は、大阪府堺市西部の古くからある集落の入り口に位置する。元々、築150年の農家が建っており、建主が1人で生活をされていた。その建主が、脳梗塞の後遺症で半身不随となり、車椅子の生活、そして、介護の必要な生活を余儀なくされたことで、建替えの計画が始まった。

計画の要望として、建主自身、親族が切に望まれたことは、たとえ体が不自由になったとしても、従来の生活を少しでも取り戻したいということであった。まず、元々、旧家は東向きで日の当たる時間が限られていたので、計画では建物を南に向け、年中、室内に太陽の光が注ぎ込み、暖かさを感じられる配置とした。プランは、建主の寝室や、一日の大半を過すリビングを日当たりの良い南の場所ヘレイアウトした。リビング上部を全て吹抜けとし、見上げると上部FIX窓から空を臨む事ができ、リビング前面のデッキテラスと繋がり、一体感のある開放的な空間となっている。南面の幅10m×奥行3mのデッキテラスヘは主寝室とリビングから、バリアフリーで繋がり、建主の趣味である植栽の手入れを車椅子に乗ったまま楽しむことが出来る。また、2階のワークスペースから、介護者が吹抜け越しに、1階の建主の様子を見守ることが出来る位置へ配置されている。

建主自身も、我々も、車椅子の生活を想定することは難しく、廊下幅、各部屋のスケールを大きめに設定し、ゆったりとしたプランとした。今後、建主の状態や生活が変化したとしても、柔軟に対応できるように心掛けた住宅である。

所在地:大阪府堺市

構造:木造2階建

用途地域:無指定

敷地面積:780.84m²

建築面積:151.57m²

延床面積:179.80m²

写真:福澤昭嘉

作 品

PIECES

大西憲司設計工房のこれまでの作品やプロフィールなどをご紹介しています。

コンテンツ

CONTENTS

PAGE TOP