大西憲司設計工房[大阪/設計事務所]Kenji Ohnishi archtect

松ヶ鼻の家

Matsugahana
2006

この住宅は、大阪市内中心部の密集した住宅地の一角に位置する。敷地は袋小路の突き当たり近くにあり、4mの南側道路に接した間口5m、奥行24mの細長い形状をしている。南、東、西に隣家が迫っているが、北側が幼稚園の運動場に面しており、境界沿いに植えられている大きな桜の木を間近に眺められるロケーションが広がっている。

クライアントからは、北側の桜の木をどの部屋からも眺められること、車2台分の駐車スペース、1階に来客用の和室、夫婦共慟きで家族全員揃って食事する機会が月にわずかなため、家族が揃ったときはみんなで料理をつくり、楽しく食事ができるスペース、そして小さくてよいのでご主人の書斎が欲しい、などといった要望を受けた。

隣家が三方に迫っているため、東・西側は窓を最小限に抑え、道路側に対しては、威圧感のないようにスリガラスのスクリーンでプライバシーを確保し、閉じた外観とした。1階は南半分をピロティとし、アプローチおよび車2台分の駐車スペースとなっている。玄関を開けるとアプローチと通り土間が連続し、北庭へと抜け、奥行を感じさせる空間とした。2階は真中に上部が吹抜になったダイニングとオープンキッチンおよび中庭、南側にテラスと連続した光がたくさん入る開放的な浴室、北側にリビングとテラスをとった。採光と通風は、南・北側のテラスに面して大きな開口部と、吹抜、南側のハイサイドライトから確保した。どの部屋からも、幼稚園の桜の木を眺められるように、南から北へ抜けるワンルーム的な空間となっている。3階は、書斎と子供室とし、ダイニング、キッチンの吹抜部分によって部屋を仕切らず、連続させることで家族の気配がどこにいても感じられるようにした。

所在地:大阪市天王寺区

構造:鉄骨3階建

用途地域:第二種中高層住居専用地域

敷地面積:120.84m²

建築面積:73.88m²

延床面積:150.55m²

写真:福澤昭嘉

作 品

PIECES

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